食文化を陰で支える「膜分離技術」

現代の食文化を支える技術の一つに、「膜分離技術」がありますが、日本には20世紀後半アメリカから入ってきた技術で、その後実用化が進み海水の淡水化にも寄与する技術として知られています。この膜分離技術は、食品分野では濃縮果汁の製造をはじめ、不純物の混ざった液体から有用となる物質を分離させたりなど、多くの応用可能性を秘めた技術として期待されています。現在開発されている膜としては、RO(逆浸透膜)、NF(ナノ濾過膜)、UF(限外濾過膜)、MF(精密濾過膜)、ED(電気透析膜)など多くのものがあります。それぞれの利用分野としては、ROが海水の淡水化などに、NFはチーズホエーという液体からタンパク質を回収するのに使われ、UFは膜の孔径で分子のふるい分けるなどに使われています。そのほかの、MFは生の飲料製造に、EDは脱塩に特化したような使われ方がされています。