食品には、褐色に変色する褐変といものがあります。酵素の関与による酵素的褐変とアミノ・カルボニル反応、いわゆるメイラード反応といったような非酵素的褐変があります。メイラード反応などの非酵素的褐変は、食品などに含まれるブドウ糖、果糖等などの還元糖とアミノ酸、タンパク質、ペプチドが反応して、オゾン類などの還元物質を生成して、これらが重合したり、アミノ化合物と反応したメラノメイジンという褐変物質を生成します。この反応は、発見者のメイラードの名前をとって、メイラード反応と呼ばれます。食品に好ましい色と香りを与える加熱褐変と色調の暗色化や褐変臭という変質の原因による酸化褐変があります。食品などの物理的変質には、乾燥、吸湿、潮解、香気の逸散、移り香、破損、傷害、成分の結晶といったものがあります。水分の出入りや揮発性物質の出入り、また粉体の固結といったものがあります。これらの変質には、環境の温湿度条件が大きく関与しています。さらに間接的に酸素や光線などによる酸化もあります。粉体や個体の乾燥品というのは、吸湿して粉体が固結して変質してしまったり、水分の多いものは乾燥すると硬くなったりします。輸送、保存する場合には、包装をすることで湿度や水分を制御していきます。粉乳や粉末果汁というのは、吸湿性が強くなります。無包装では、急速に吸湿してしまいます。クラッカーだと水分が5%を超えると物性が変化してしまいます。この場合、歯応えがなくなってしまいます。粉末スープは、水分が4%を超えると固化したり、潮解したりします。粉末果汁、粉末コーヒー、粉末味噌などは湿度にとても敏感です。吸湿するとケーキングした状態になります。