即席ラーメンの登場で、食文化が大きく変わっていくことを予見させる時代に、さらに人々を驚かせたのが柔軟な素材で包装された調理済みカレーのレトルト食品の登場でした。それまでは、固形のカレールーを溶かした中に野菜や肉を入れコトコト煮込んでいく料理が、沸騰したお湯の中に数分間入れておくだけで食べられるとあって、まさに驚きの食材でした。このレトルト食品に使われていたのが、機能性包装材とともに「レトルト殺菌技術」と言われるもので、中心温度121℃で4分以上という加熱条件が基本の殺菌で、長期保存にも耐えうるというものでした。もともとは、軍人の携行食として開発されたと言われていますが、日本の工業化技術のおかげで一般消費者の口に入る食材として一気に広まっていったと言われています。