バリアフリー包装は、障害を持つ人に対してバリアー、障害とならないよう配慮された包装です。これに対して、ユニバーサルデザインは、最初から全ての障害を取り除いた包装設計となります。バリアフリーは社会的弱者に限定した概念です。一方のユニバーサルデザインは、健常者と障害者とを問わないもので、「全ての人が、特別な改造や特殊な設計をせずに、最大限まで利用できるように配慮された製品や環境の設計」と定義されています。両者に共通するのは、共用品の包装になるものです。健常者の一般生活者が共用品であるといっても、障害者が無理なく使用できるかどうかが問題となります。基本的には、使用時の障害をなくて、健常者にも使いやすい商品とサービスにすることが共用品の基本なのです。ユニバーサルデザイン包装の五原則というものがあります。①必要な情報の分かりやすい表現②簡単で直感的な使用性③使用の際の柔軟性、安全性④適切な重量とサイズ⑤無理のない力や動作による使用感といったものです。使用者の評価も大切です。共有品の包装には、ユニバーサルデザインとしての評価項目があります。これには不具合がなく使用ができて、価格が妥当なことが求められます。ユニバーサルデザイン包装は、表示文字の書体と大きさ、視覚的に分かりやすい表示、使用期限、保存方法の表示、開け方の表示、材質別の表示が必要とされています。JIS規格ではユニバーサルデザインという用語は使わえていません。アクセシビリティという言葉を使っています。JIS規格には高齢者、障害者配慮設計指針、包装容器開封性試験方法、高齢者及び障害のある人々のニーズに対応した規格作成配慮指針などが規定されています。