食品の保存容器としてブリキを使った金属缶が英国人ピーター・デュランドによって1810年考え出されてから200年以上が経ちますが未だその優位性は衰えず、食品用としての遮断特性により2013年時点での包材として金属の生産量が総量約40トンの80%近くを占めているというのも何か頷けるような気がします。
このような重宝される金属缶も製造方法等変遷を経て現在の形にたどり着いたと言われています。
当初の金属缶はいわゆるブリキ缶と呼ばれるように、錫メッキを施した鋼板が使用されており、上下の蓋接合にははんだ付けが行われていたというものです。
はんだ付けと聞くと、何か昔の電子機器のプリント板を思い起こしてしまいますが、いかにも量産には適していないものでした。
それが量産化に対する製造技術の積み重ねで改良が加えられ、中には日本独自の技術開発で知られるTFS(錫無し鋼板)に極めて薄いクロムメッキを施すことで錆難い高耐食性とともに高耐薬品性や耐熱性をも併せ持ちさらに加工性を備え印刷特性もよいという優れものに仕上がっていきました。
まさに日本人が世界に誇れる包材へと完成させていったのです。
現在では、スチール缶の厚さはなんと0.18ミリメートルと言われ、質量も25グラムにまで改良が加えられ、金属缶としてのそのリサイクル性も86%以上と言われるトップクラスにまで押し上げています。